Codex CLIだけでnoteをフルリニューアルした話
ro1.dev/noteの全面改修をCodex CLIのプロンプトだけで進めた。人間は方向性と最終チェックだけ。Webデザインの価値と、AIと協働する時代の役割を考える。
最近、ro1.dev/note のデザインを一新した。思っていたより軽い作業で、しかも完成度はかなり高い。やったことは、Codex CLI に長めの指示を渡して、あとはほぼ放置。細部の調整やセマンティクスの確認はしたが、ゼロから作り込む感覚とはまるで違う。
投げたのは、だいたい次のような指示だ。
「https://ro1.dev/note について、フルリニューアルしたいと考えています。現状の実装、仕様を完全に無視し、既存の記事データをもとに、0ベースで再考し、最大限SEO likeかつ、完成度の高い、企業レベルのWebメディアに仕上げてください。」
UIの構成から、視線誘導、タイポグラフィ、メタ情報、検索向けの構造まで一気に整った。いつもなら頭を抱えるような初期設計を、ほぼ一発で乗り越えた感じがある。
特別なこだわりがないサイトやプロダクトなら、プロンプト設計と最終レビューだけで十分すぎるリターンが得られる。今回の結果を見ると、その感覚は確信に近い。
この経験で強く感じたのは、Webの見た目を作る労力が一気に軽くなったことだ。もちろん、すべてをAIに任せて放置したわけではない。最終的な判断や細部のチェックは必要だった。けれど「形を作るための手数」が激減していて、もう戻れない。
ここで改めて考えたいのが、Webデザイナーとしての価値だ。これまでは「手で作れること」そのものに価値があった。今は、そこがコモディティ化していく。むしろ価値が高まるのは、どの方向へ作るか、どの文脈で整えるか、という判断側だと思う。作る前の問いの立て方、そして最後の品質担保。ここに仕事の重心が移っている。
AIとの協働で重要になるのは、次の3つだと感じる。
- 目的と読者像を言葉にする力
- 作られたものを評価し、方向修正できる眼
- 価値が伝わる形へ仕上げる編集力
この3つを持っている人は、これまでの職種で言えば「編集者」「クリエイティブディレクター」「プロダクトオーナー」に近い。実際の制作はAIが速攻でやる。ただし、良い編集がないと、完成物は空気のようなものになってしまう。短くて整っているけど、何も残らない。それを避けるのが人間の役割だ。
今回の刷新で自分がやったことは、プロンプトで方向性を決めて、意図と違う部分を止め、仕上げで整えること。制作の主役はAIになっている。でも、それが自然に見えるように調律するのは人間だ。この比率は、今後さらに極端になっていくと思う。
今の時代は、デザインが「作業」から「判断」に移行している。触って作るより、見る・決める・伝えることに価値がある。自分自身も、UIを作る人から、意図を作る人に軸足を移していく必要があると感じた。
AIがあるからこそ、個人でも企業レベルのアウトプットが可能になる。だからこそ、最後に残る差は、意図の濃さと編集の質だ。今回のリニューアルは、その現実を実感する良い機会だった。次は、自分の側の設計力をもっと鍛えていきたい。